2014/04/18

歴史と文化、人々の生活を感じる物語の道、東区「草梁イバグギル」<前編>


姉妹都市として親しい関係を持つ釜山広域市には,福岡市から職員が派遣されています。派遣されている上原さんより,釜山の現地情報をお伝えします!

 
 釜山広域市の東区は、市域の中央部に位置しており、国鉄の釜山駅や、再開発事業が進んでいる釜山北港が存在する区です。また、戦前には多くの日本人が住んでいた日本ともゆかりの深い地域です。

 

その東区に昨年新たな観光スポット「草梁(チョリャン)イバグギル」が誕生し人気を集めています。山がちな地形の釜山の街に多数存在する山腹道路の再生プロジェクト「山腹道路ルネッサンス事業」のひとつとして生まれました。「イバグ」は物語を、「ギル」は道を意味します。「草梁イバグギル」は、この地の歴史や文化、人々の生活を感じながら散策することができるストーリーロードです。報道によると、昨年3月からの1年間で102千人を超える観光客が訪れたそうです。

 

釜山駅前からスタートして、1.5kmのコースにたくさんの見どころがあります。今回は<前半>として、見どころの一部をご紹介します。
 
地下鉄の釜山駅の7番出口を道なりに歩いたら、この看板を見つけて、ここからスタート!
 
 
足跡模様の看板を見逃さずに順路を進みます
 



看板のコース図を一部拡大




■ 旧百済病院(コース図の②)

1922年に建てられた洋式の5階だての建物です。釜山最初の近代式個人総合病院でしたが、その後、歴史の流れの中で、中国料理店、日本人将校の宿舎、治安隊の事務所、結婚式場などとして変遷しました。2012年に釜山市の近代建築物の指定を受けています。
■ ナムソン倉庫跡(コース図の③)
釜山最初の近代式物流倉庫の跡ですが、2005年に建物は取り壊され、現在はスーパーマーケットの駐車場の中にその塀だけが残っています。ミョンテ(明太・・・スケトウダラ)を保管したため「ミョンテ庫房」とも呼ばれたそうです。1900年に埋立が行われるまで倉庫は海辺にあり、朝鮮半島の北東部の地方である咸鏡道から海路で運ばれた水産物を保管し、鉄道の京釜線で釜山から全国に運んでいました。

■ 塀のギャラリー、東区の人物史の塀(コース図の④と⑤)
塀を活用して、路地にまつわるエピソードや、時間の流れにより変化するこの地域の風景、詩が展示され、東区の山腹道路で感じることができる人生の哀歓と過ぎた過去をのぞくことができる場所となっています。また、東区の偉人や草梁小学校出身のスターも紹介されています。
 
釜山駅の昔と今

 
草梁小学校出身のスター3人の紹介
 
■ イバグチョンゴジャン
  コース図にはありませんが、塀を見物し終わって168階段に向かう途中にある、別の短い階段のふもとにある、町内のお母さんたちが運営しているククス(素麺)のお店です。ククスとスジェビ(すいとん)は2,500ウォン(250)、キムパプ(海苔巻)とチヂミは1,500ウォン(150)と、手ごろな価格でおなかを満たすことができます。店休日は月曜日で、午前10時から午後6時まで営業しているそうです。外で写真を撮影していたところ、「寄ってコーヒーでも飲んで行きませんか?」と優しく声をかけてくださいました。お店の名前のチョンゴジャンは「停留場」を意味します。
 
■ 168階段(コース図の⑨)

眺めるだけでも息が詰まるほどに長い168階段。釜山港や釜山駅から山腹道路を上っていくのに最速の近道で、階段の脇に位置する多くの家の門の前でもあります。今後、この階段には、お年寄りや体の不自由な方が簡単に上り下りできるように、総延長65mのモノレールが設置される予定だそうです。

 

下から見上げるとそれだけで汗をかきそうな・・・

■キムミンブ展望台(コース図の⑩)
168階段の途中に右側に抜ける道があり、そこを進むとキムミンブ展望台があります。キムミンブ氏は釜山出身の有名な詩人で放送作家としても活躍したそうです。この展望台は、彼をたたえるとともに、彼の重要な作品のひとつ「待つ心」の情緒を感じることができる場所とされています。
 
168階段途中の目印から右に曲がるとキムミンブ展望台へ
 
展望台ではコーヒーブレイクもできます

展望台からの風景、奥に見えるのは近日開通予定の釜山港大橋


                続きは後編に!